
基本情報
| 指定 | ユネスコ世界遺産(文化遺産、2000年) |
| 省 | 安徽省 |
| 地図上の位置 | 安徽省南部の黟県 |
| 緯度・経度 | 29.9, 118.0 Google マップ |
| 見どころ | 古村落 |
| 周辺の都市 | 黄山、景徳鎮 |
| 周辺の景勝地 | 黄山 30km、九華山 64km、景徳鎮の手工業磁器生産遺跡 100km、三清山 111km、廬山 198km 周辺を検索 |
| テーマ | 歴史的建築、文化・歴史、切手、町、古村落・民家 |
西逓
西逓(せいてい)は安徽省南部の黟県(いけん)にある村である。2000年11月30日、オーストラリアのケアンズで開かれた第24回世界遺産委員会は、西逓と宏村(こうそん)の古村落を世界遺産リストに登録した。
西逓は北宋の哲宗の元祐年間に開かれた。川が村の西へ流れていくことから、はじめは西川と呼ばれた。郵便を中継する駅舎があったことから西逓(西の駅逓)の名がついた。「桃花源里人家」(桃源郷の中の家)と称される。
村の盛衰は胡氏と深く結びついている。村の始祖は唐の昭宗の子で、王朝滅亡の混乱の中で民間に逃れ隠れ、胡姓に改めた。胡氏は1465年から商いを始めて成功し、住宅、祠堂、道、橋を築いた。17世紀半ばには一族の中に商売から官界へ転じる者が出て、村はさらに発展した。最盛期は18~19世紀で、村には豪華な邸宅が約600軒あった。
東西に通る大通りの両側にそれぞれ平行する通りがあり、そこを多くの細い路地が横切る。敬愛堂(けいあいどう)、履福堂(りふくどう)、刺史牌楼などの公共建築の前には小さな広場が開けている。現在のおもな見どころは保存状態のよい明・清代の建物124棟で、多くが公開されている。1578年の石の牌坊、1691年の大夫第(たいふだい)などがある。
旅行案内
交通:高速鉄道で黄山北駅へ行き、西逓を経て宏村へ向かう観光バスに乗り換える。1時間余り。両村は約10km離れており、同じバスで行き来できる。
西逓:小さな村である。大通りに沿って歩き、胡文光刺史牌坊、敬愛堂、履福堂などを見る。2~3時間みておくとよい。
宏村:南湖、月沼(げっしょう)、水路を巡り、承志堂(しょうしどう)、南湖書院を見る。半日みておくとよい。
周辺:南屏(なんぺい)、盧村(ろそん)、塔川(とうせん)などの村も近く、時間に応じて訪れるとよい。
所要時間:両村は1日で回れる。1泊すれば早朝と夕方の村の景色も見られる。
季節:3、4月は菜の花が咲く。10月末から11月にかけて塔川一帯が紅葉する。6月は梅雨で雨が多い。
宿泊:両村と黟県の町に民宿がある。黄山と合わせて訪れることが多い。
注意:村には今も人が暮らしている。公開されている家の中では礼儀を守り、私宅の中庭に立ち入らないこと。
宏村
宏村は安徽省南部、黄山の麓にある古村落で、明・清代の建物が多く残る。整った水路網と牛の形をした独特の配置をもち、徽州(きしゅう)建築の典型である。2000年に安徽南部のほかの古村落とともに世界遺産リストに登録され、2001年に全国重点文物保護単位、2003年に中国歴史文化名村に指定された。
村は黟県の県城の北東11kmにあり、現在は宏村鎮の所在地である。南向きで、背後に黄山の支脈雷崗山(らいこうざん)を負い、西を邕渓河と羊桟河が流れる。村の面積は約28万m²。
1113年に弘村(「大きな村」)として開かれ、汪(おう)氏一族の村であった。明の永楽年間、族長が風水師に土地を見させ、建物の配置を改め、村に水を引き入れた。清代中期に大規模に建て直され、乾隆帝の諱「弘暦」を避けて「弘」を同音の「宏」に改めた。今も多くの古い建物が残り、明代1棟、清代102棟、民国期34棟で、大半は保存状態がよい。
大きな特色の一つは水路網である。西の川から引いた水は、幅1m近い曲がりくねった水路を通って村に入り、各家に水を供給するとともに気温をやわらげ、村を美しく見せる。水路は村の中央で半月形の月沼に、南で弓形の南湖に広がり、宏村独特の景観をつくっている。
もう一つの特色は牛の形をした配置である。雷崗山が頭、村の入口の2本の古木が角、月沼が心臓、南湖が腹、曲がりくねった水路が腸、家々が胴、四つの古い橋がひづめで、「山為牛頭樹為角、橋為四蹄屋為身」(山を牛の頭、木を角とし、橋を四つのひづめ、家を胴とする)と言われる。
建築:建物はおもに住宅と個人の庭園で、書院や祠堂などの公共建築もあり、まとまった建築群をなしている。どれも装飾が豊かで、木彫、れんが彫り、石彫りは繊細で芸術的価値が高い。路地は水路に沿って延び、家々は月沼の周りに集まる。住宅の多くは中庭を二つもち、水路の水を屋内に引き込んで水の庭や池をつくった家もある。代表的な建物は南湖書院、楽叙堂(らくじょどう)、承志堂、徳義堂、松鶴堂、碧園である。
南湖の北岸にある南湖書院は、明末の六つの私塾「倚湖六院」に始まり、1814年に合併・再建されて以文家塾となった。志道堂、文昌閣、啓蒙閣、会文閣、望湖楼、祗園の六つの部分からなり、白い壁と黒い瓦が青い水と空に映える。汪氏の祠堂である楽叙堂は月沼の北岸の中央に立ち、村に残る唯一の明代の建物で、木彫がすばらしい。
承志堂は1855年、塩商人汪定貴(おうていき)の邸宅として建てられた村最大の建築群で、面積約2,100m²、九つの天井(中庭の吹き抜け)の周りに60余りの部屋がある。前庁と後庁はいずれも回廊のある3間の建物で、両側に家塾庁と魚塘庁、後ろに庭園がある。アヘンを吸うための「呑雲軒」、麻雀のための「排山閣」まである。136本の木柱と柱の間の梁には、漁樵耕読(漁師、木こり、農夫、読書人)、三国志の場面、百子鬧元宵(元宵節に遊ぶ百人の子ども)、郭子儀拝寿(郭子儀の長寿祝い)、唐の粛宗の宴などの図が彫られている。
青い山と澄んだ水に囲まれた宏村は、映画『グリーン・デスティニー』(臥虎蔵龍)のロケ地となった。
切手
2004年6月25日、中国郵政は2004-13T「皖南古村落-西逓、宏村」の切手4種を発行した。額面はいずれも80分で、図案は牌楼、古建築群、南湖、月沼である。

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1986年発行の普通切手、普23「民居」14種のうち1枚は安徽民居である。

地図

写真:西逓:EditQ(CC BY-SA 4.0、ウィキメディア・コモンズ)
周辺
| 世界遺産 | 黄山 30km、景徳鎮の手工業磁器生産遺跡 100km、三清山 111km、江郎山 164km |
| 国家級風景名勝区 | 武夷山国家公園 250km |
| 国家級風景名勝区 | 斉雲山 10km、花山謎窟・漸江 42km、高嶺・瑶里 56km、九華山 64km |
| 5A級観光地 | 古徽州文化観光区 40km、婺源江湾景区 60km、篁嶺景区 66km、開化根宮仏国文化観光景区 94km |
| 4A級観光地 | 南屏景区 9km、九龍瀑 29km、翡翠谷 32km、屏山景区 34km |
| ユネスコ世界ジオパーク | 常山ユネスコ世界ジオパーク 122km |
| 国家歴史文化名城 | 黟県 5km、歙県 42km、績渓県 61km |
| 全国重点文物保護単位 | 西逓村古建築群 <1km、屏山舒氏祠堂 4km、南屏村古建築群 9km、宏村古建築群 11km |
| 国家地質公園 | 常山国家地質公園 122km、浮山国家地質公園 131km |
| 自然保護区 | 婺源森林鳥類国家級自然保護区 50km、清涼峰国家級自然保護区 83km、古田山国家級自然保護区 85km、臨安清涼峰国家級自然保護区 97km |
| 国家歴史文化名鎮 | 万安鎮 25km、西渓南鎮 29km、許村鎮 33km |
| 国家歴史文化名村 | 西逓村 <1km、宏村 4km、南屏村 9km、盧村 13km |